人気ブログランキング | 話題のタグを見る

経団連が ”内向き”大学生に「グローバル人材」海外留学奨学金創設 ブレーキ踏みながらのアクセル?!    

 日本経団連は13日、2012年度から「グローバル人材スカラーシップ」を創設すると発表した。
 
昨日13日は、「第1回 ギャップイヤー制度キックオフ シンポジウム」が広尾のJICAちきゅう広場であり、満席の300名でにぎわった。私はメディアからの取材を受けたり、シンポジウムの運営側の準備があり、このニュースは知らなく、夜8時から行われた懇親会の場で、豪政府観光局のIさんから聞いて、はじめて知った。


 内容は、将来、日本企業で国際ビジネスに携わる意欲を持つ大学生に奨学金を支給し、帰国後の就職支援も行うというもので、経団連傘下の国際文化教育交流財団を母体に会員企業が資金協力し、交換留学制度のある政府指定の13大学(東大、名古屋大など)から候補者を選んで選考するというもの。初年度の奨学生は30人で、1人100万円を支給する計画。将来は各企業の連携でより多くの学生を海外に派遣するという。

 若年層に留学忌避や、海外赴任をよしとしない”内向き”志向が広がり、就職活動の早期化・長期化もあいまって消極的な学生が増えている。経団連が奨学金制度を創設するのは、このままでは世界で通用する人材が払底し、日本が国際競争に勝ち残れなくなるとの危機感があるからだという。

 奨学金創設と合わせ、大学と連携し、企業トップや実務者を大学に派遣してビジネスの”今”を講義する「出前授業」や、企業内でのインターンシップを単位に認定する新カリキュラムを試験的に導入したいとしている。

 まず、この奨学金の設置自体は素直に歓迎したいが、規模は30人と決して大きいとはいえない。二つ目は、「就活」の早期化・長期化は誰が主導しているかの素朴な疑問だ。車で例えれば、強烈にブレーキを踏みながら、同時にちょこっとアクセルを踏んでいるような妙な一貫性のなさを感じる。


 「就活」期間を協定で晩期化・短期化すれば、大学生がのびのびと修学できる環境を創れ、諸外国の一流大学がこぞって推奨する人材育成でもあるギャップイヤー制度で「インターン(就社に直結しない)・国内外留学・ボランティア」を学部内で実施できる。

三つ目は、”企業内でのインターンシップ”の単位認定で注視しなければならないのは、その後就社に直結してしまうと、結果的に「前倒しの企業研修」に単位を与えることになり、一種の産学癒着と映ってしまう。あくまで就労体験であることを厳守してもらいたい。

by krisyoyogi | 2011-06-14 08:21

<< 経産省がJICAの「海外ボラン... 就職失敗で自殺する学生が46人... >>