東工大・京大・早大の3大学院で、「日本版ギャップイヤー(Jギャップ)」の要素が入っていく   

 協会の「日本版ギャップイヤー(Jギャップ)」の定義は、大学就学前後・在学中・大学卒業後3年の間に、「親元離れ、国内外留学・インターン(就社に直結しない)・ボランティア」の3大要件を4カ月以上1年程度組み入れること。


本国の英国でも同様に、ギャップイヤー利用者が増大する中、最近はスキューバダイビングや単なる自分探しの旅といった”ゆるい”牧歌的ギャップイヤーは、この時代に合わなく(The golden age of Gap Year is over.)、本業復帰後にスキルや技能やコミュニケーション能力向上等一般社会に認められる”履歴書”になるような成果物があるかが問われるというメディアの論調が増えてきた。


 私自身は、遊学イメージの古典的な”ゆるい”ギャップイヤーを否定するものではなく、認証していきたいが、日本の教育現場にコンセプトを導入しようとしている立場からすると、「フェイズ1」として、協会の定義する”堅めの”定義をまず、浸透させたいと考えている。


 さて、日経産業新聞6月20日付1面で、5月11日付のJGAPのニュース欄(http://japangap.jp)でも取り上げた東工大大学院の新設「グローバルリーダー教育院」(定員10人)が紹介されている。


 科学技術と人文社会(経営・文化)を教育の柱に、「広い視野を持った実社会でリーダーシップを発揮できる資質を養いたい」と産業界が要望する「課題解決力」「チームワーク」を持った博士号取得者を養成したい考えだ。対象学生は既存研究科に所属しながら、学位取得を目指す。その上で同教育院のゼミに入り、政策提言やシンポジウムの企画、 インターンシップ(就業体験)に取り組む。今年夏の選抜試験を経て、10月から本格的に授業を始めるが、 "教養から交渉術”まで英国系大学院が下敷きだ。


 京大でも、親元離れ、5年一貫の全寮制大学院(定員20人)を12年度に設置する検討を始めたが、モデルは英国ケンブリッジ大学。教職員も寮で寝食共に、議論するという。国際社会を視野に、授業は全科目英語で行う。


 早大は、同12年度に文理融合型の5年一貫教育の大学院(定員15人)を設置予定で、全員3カ月から1年、海外企業でのインターンを義務付けるという。


 ここでお分かりのように、3大学の大学院は、「親元離れる」「海外」「インターン」等ギャップイヤーの要件に係っている。ギャップイヤーのコンセプトである「就業体験・社会体験」は、大学と社会にミスマッチが存在する以上、大学院レベルでも避けて通れない。


 こういう教育や研究に打ち込んだ博士号取得者を、大学院が毎年50人も輩出できれば日本の高等教育も少しは変わるかもしれない。


 次は”本丸”である各大学が、社会の要請との乖離に、どんな改革で変わろうとしていくのか注視したい。
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# by krisyoyogi | 2011-06-21 16:56

「永すぎた就活」をみんなでやめさせましょう!20付日経朝刊から思うこと   

 本日付日経によると「今年の大学生の就活は例年にも増して長引きかねない」という。東日本大震災による採用選考の遅れもあるが、やはりそもそもと言わざるを得ない。

 本ブログでも何度も取り上げてきたが、企業が「新卒一括採用」といった一見”公平感”ある聞きざわりのよい言葉で、学生が修学のピークとなるべき3年生(修士課程にいたっては、実質4月に入学し、秋から活動と入学半年後)時に業界ぐるみで邪魔するのは、結局、企業が教育的に未完成な人材を採用する可能性が高くなることに気づいてほしい。


 しかも、それが早期化だけでなく、長期化になれば、学生にとって不採用になる会社数が増え、自信を失い、落ち込み、萎縮し、本業の修業だけでなく、日常生活にも悪影響を与えてしまう。いいかげん、ばかげた「人材価値のレッテル付け運動」はやめてほしい。


 日経は「4年の春に内々定をまとめて出す”新卒一括採用”に偏らず、企業が秋冬に選考試験をやれば学生の負担が和らぐ。海外留学にも行きやすくなる。企業は通年型採用を取り入れて欲しい」という。これも一つのソリューションかもしれないが、限定的な効果しか得られないだろう。

 主要な経済団体や影響力ある固有の企業は「企業の社会的貢献=CSR」の視点から、この日本の”就活狂想曲”を世界の文脈でどう解決すべきか、当事者として、どう捉えているか教えてほしい。

「氷河期フリーターが40代に 混迷極める若年層の雇用問題」今週の週刊ダイヤモンドの見出しだ。「若者の人材育成に失敗してきた20年」という認識を産官学そして生活者で共有すべき時点ではないだろうか。

 JGAPは、ギ”ャップイヤー文化”を日本で根付かせることで、これまでの単線型・ステレオタイプ型の無謬(むびゅう)・無菌を良しとする”適応能力のない”人材評価を崩し、多様性に満ち、適応能力が高い国際標準の人材育成につながる起爆剤と考え、その啓発に取り組んでいきたい。



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# by krisyoyogi | 2011-06-20 10:19

遅まきながら、JGAPの公式アカウント(twitter)がスタートしました!   

 twitterのもともとの意味は、「(興奮してかん高い声で)しゃべりまくる)」であり、ギャップイヤーのように、人間の普通の成長のためには、”寄り道”して考えることが必要とのコンセプトとは、相容れないものがあるのではと、広報とも何度か議論を持っていた。先週、第1回「ギャップイヤー・シンポジウム」も終えた。今後は、より多くの「ギャップイヤー評」やギャップイヤー文化浸透のためのヒアリング機能としてツイッターを生かしていき、見知らぬ”同士”の皆さんとも”同期的”に情報共有できればと、”しゃべりまくらない”公式アカウントを目指すことにした。



 早速、I・Jさんの 「ギャップイヤー、最近ホントに耳にしますね。これが日本に習慣付くためにがんばろー」というつぶやきを発見し、素晴らしいメッセージを教えてもらうことができた。
それは、森 薫さん(学校心理士 日本ペンクラブ会員 日本文藝家協会会員)の6月17日付ブログ「ギャップイヤー」で、要旨は次のようなものである。



 今年も、大学三年生の就活スタートのゴングが鳴り、学生たちは一斉に就活に向けて走り出した。青春のエネルギーをすり減らし、自信喪失してしまう若者が大量に生み出される。高校では、高校二年間で、高校必修の学習を終らせ、三年になると、受験対策一辺倒。自分とゆっくり向き合ったり、自分にどんな鉱脈が眠っているかと考える余裕さえ与えられない。大学では、一般教養の履修を終え、これからゼミで専門分野の学習を始めようとする矢先に、就活に狩りたてられてしまう。


 ひたすらベルトコンベアに乗り、振り落とされないようにしがみついているだけ。若者が明確な意思をもって大学進学や就職をするためには、自分探しをするための回り道・寄り道が保証され、バーチャルではない"ヒト体験""モノ体験"が不可欠である。


 欧米では、"道草を喰う"期間をギャップイヤーと呼ばれ、自らの意思で納得のいく進路を獲得するために一日も早いギャップイヤーのシステムを確立したい。ギャップイヤーでの体験としては、海外留学、国内農業ホームステイ、介護体験、ヒッチハイク、自転車旅行、ボランティア活動、伝統文化・工芸入門、四国お遍路八十八か所めぐりなど、幅広いメニューが考えられる。東電の原発事故は、これまでの教育制度が生みだした勉強のできる人たちの限界を示している。危機対応能力にすぐれた自らの意思をもつ若者を育てるためにも、新しい教育システムが必要である。


 私は、森 薫さんにはお会いしたことはないし、当然面識もない。しかし、活動の根っこの部分、すなわち”土壌”は共有している。


 今の日本の高等教育のおかしさは、やはり海外、先進諸外国との比較でどうなのかの視座が、かなり必要と感じた。


 最後になったが、I・Jさん、貴重な”さえずり”に心から感謝したい。


(参考サイト)http://www.ohzora.ac.jp/mori/index.html

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# by krisyoyogi | 2011-06-19 13:35

茂木健一郎さんが「日本の大学にギャップイヤーを!」と叫んだ   

 先週10日、豪大使館(港区三田)で、学生や企業の研修先としてのオーストラリアの魅力を伝える記者会見が開かれた。豪大使館と政府観光局は、日本国内の企業20社以上にヒアリングし、それを豪の大学に持ち帰ると、ことごとく産学連携対応できそうだということで、「グローバルな人材を育成するために、豪州は留学・研修にふさわしい」という内容のプレゼンであった。また、安心・安全、時差がない、研究レベルも世界水準というのがセリング・ポイント。


 その後、「日本の若者に求められるグローバル人材」をテーマにパネルディスカッションが開かれた。脳科学者の茂木健一郎さんは大学教授等他のパネリストの話を聴いていて、最後に回ってきたマイクに向かい、いきなり大声を張り上げた。


 「グローバル化が必要なのは、若者よりまずドメスティックで影響力だけある会社のじいさん達(実際はもう少し上品でない表現)が先です。その人達が、”参勤交代”で外国に住めば、相当意識も変わります」と会場を沸かせ、「英国のギャップイヤーを若者に経験して欲しい。1年ほど放浪したっていいじゃないですか。日本の企業のように、学生の履歴書に1日の空白があってもだめというのは世界基準でない」と畳み掛け、喝采を浴びた。


 みんな、なんとなくこの国のガラパコス状態の就職慣行や「就活」はおかしいと思っている。グローバル化の大きな阻害要因だともうすうす気付いている。学生を長期間追い込み、疲弊させ萎縮させるだけの年中行事だと内心思っていることを一撃したから、痛快だったのだと思う。


 どこの先進国が、こんな形式だけの「新卒一括採用」をやっているのか。こんな具合だから、就職難になると、この4年で学生の海外留学人口が8万人レベルから2万人も減少する信じられないことが起こってしまう。「このままでは、日本の若者の国際競争力は落ちる一方」と危機感を抱いている人は私だけでない。


 茂木さんは、昨年4月にもブログで「日本にギャップイヤーを」と叫んだが、また吠えてしまった。私はJGAPを設立したことを告げ、「どうやって、ギャップイヤーを日本で定着させられるか」と質問した。茂木さんは拍手して、「まず、一般社団を作られたのは素晴らしい。awarenessを高めることを心がけてほしい。また、優秀なベンチャーは新卒にこだわることはないので、古めかしい企業は市場から消えていただくこともあるかもしれない」と返された。他のパネリストからは、「皮膚感覚だが、日本の大学の頂点にある東京大学が率先してギャップイヤーを学生に義務付けたら、変わるのでは」という発言も飛び出した。たしかにトップ校が変われば、他校も変化するという百貨店の集客の奥儀である「シャワー効果」のような発想はありかもしれない。


 awareness は「認知」、皆さん個々のつぶやきやブログ、そしてFBでの「いいね!」のサポートからマスメディアがカバーといった”拡散サイクル”が大きな力になることを信じたい。
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# by krisyoyogi | 2011-06-16 23:33

経産省がJICAの「海外ボランティア制(1年)」を活用し、企業の若手社員をアジアに派遣で考えること    

 経済産業省はJICAの「海外ボランティア制(1年)」を活用し、日本企業の20-30歳代の若手人材のグローバル化を支援すると日経電子版が本日午後伝えている。初年度にあたる11年度は数十人程度、来年度からは数百名規模を目指すという。派遣先はアジア新興国の企業や政府。国際経験を積ませることと新興国市場を開拓する意味合いがある。派遣を希望する人にとっては、遅めの”ギャップイヤー”と捉えることもでき、文化を含め様ざまなことを吸収し、有為な人材として育ってもらいたい。


 また、東大・一橋大と共同で、アジア市場戦略の研究拠点を設立する。これにより、海外戦略立案能力の高い人材育成を目指す。つまり産官学の連携で、遅れていた新興アジアのBOP(Base of Pyramid)マーケットの知見を集積し、実務に生かそうという考えのようである。


 概ね異論はないが、こんな動きはお隣の韓国サムソン電子などが中心となって1990年代から取り組んでいることであり、新興国に強い人材を生み出したとこれまでさまざまなメディアが警鐘を鳴らしていたテーマでもある。

 ここでも、経済同様「人材育成の失われた20年」「ようやくですか?」「単に2周遅れ」というさめた見方もあることは忘れてはならない。
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# by krisyoyogi | 2011-06-15 22:29