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謹告:勝手ながら、コンテンツの収束のため、ブログを引越しいたしました!砂田 薫   



 引越し先は、一般社団法人  日本ギャップイヤー推進機構協会(JGAP)の公式ウェブ内トップ面の右ナビです。今後も、どうかよろしくお願い申し上げます。  砂田 薫     ※移転先のリンクJGAP
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by krisyoyogi | 2011-10-08 00:49

東大・浜田純一総長への「東大秋入学+ギャップイヤー」インタビュー記事から想うこと(1日付朝日朝刊)   

 7月1日に全国紙が一斉に報じた、入試日程を変えないで行なう東大の「全学秋入試+ギャップイヤー(4月~9月)」であるが、その提案者である浜田純一総長へのインタビュー記事が、9月1日付朝日朝刊「オピニオン欄」の1面に掲載された。見出しは「国際化待ったなし、脱ガラパコスへ。知識より弾力性」だった。


 同質集団には、非日常性や異質なものが必要
 要旨はこうだ。国内市場が縮小傾向にある中、大学は国内だけを射程に置いた教育だけでは、「ガラパコス」的な存在になる。グローバル人材を育てるために、大学教育の国際化は避けて通れない。
  “タフな東大生創り” を掲げている浜田総長は、「東大生は知識量ではタフだが、これからはレジリエンス(弾力性)、すなわちしなやかさも必要」と言う。この力は同質集団の中では育ちにくく、海外や異文化に触れ合う中で、“あっ”と驚く経験が必要で、それがギャップイヤー導入への想いにつながっているという。企業にも組織にも絶対がない時代。「個人の力がモノを言う社会になり、そこではギャップイヤーを利用して、自らの力を鍛えて次の仕事を探すという感覚が必要だ」と説く。


”秋入学+ギャップイヤーの有用性”を訴える総長
 「あえて入試と入学の間にギャップを作ることで、人生の中でのギャップの意義を認めるように日本社会に対して意識改革を求めていく。秋入学とギャップイヤーの有用性を訴えて、資格試験の時期や制度について、改正や柔軟な運用も求めたい」と力説し、明快な意思と覚悟を感じる。
 また、ギャップイヤーの過ごし方も、「バックパッカーによる海外放浪、ボランティア、企業への(長期)インターン、それから(大学側から)メニューも提示する」となかなかワクワクする寛容さと自由さが覗く。これなら、現在都会の中高一貫校出身者が半数を超えるといわれる多様性とは対極にある現状で、1学年3000人もたくましく就学前に「空白期(GAP)」を糧に大きく成長するのではと期待を抱かせる。スケジュールとしては、「年内に学内組織の『入試時期の在り方懇談会』の報告書が出たら、企業や社会に向けて問題提起をする」と言う。ここまでは、総長の本気度を示す素晴らしいビジョンがある。自ら果敢に困難にチャレンジしようとする姿勢と勇気も賞賛したい。


在任中の4年で実現へのロードマップを確定すべき
 ところが、実現へのロードマップのところに来ると、ちょっと急ブレーキがかかるような気がする。
 「活動を1~2年続ける中で、着地点が見えてくる。任期中には難しいかもしれないが、5年をメドに緊張感を持って検討すべき」。東大の総長の任期は4年で、浜田総長は4月に着任したばかりだ。これは、問題提起を社会に行い、推進している浜田総長が、実行までの道筋を立てないで、誰が後をやり、引き継ぐというのだろう。だから、任期の4年で決着させてほしい。


5年のロードマップでは“Not invented here” の懸念
 英語に、“Not invented here”症候群という言葉がある。「いいんだけど、俺が考えたわけでないから、責任は持てないし、知らない」という心をヒダを表す言葉だ。東大が「教育は国家百年の計」のテーマにチャレンジするこの大変革が成功したら、推進してきた前任者、失敗でもしたら後継者という評価になるなら、誰が積極的に関わるだろう。また、そんな「手柄」みたいな次元でなく、日本の高等教育の国際競争力の低下や弱体化は、浜田総長自身も痛感しているから、ここまで進展を遂げてきたのではないだろうか。検討終了が5年先なら、実現はまたその先であり、はたしてそこまで待てる悠長な話なのだろうか。


大学の国際競争力の低下は、大学だけの問題ではなく、「社会問題」と捉えるべき
 よく引用されることの多い「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」の最新2010-11年版の「世界大学ランキング」では、アジアのトップは香港大学にさらわれ、3年前はベスト100にかろうじて4大学が入っていたのに、今回は東大と京大の2大学のみ。それが日本の高等教育のポジションなのだ。ここまで落ちると、各大学の問題というより、立派な国力低下の社会問題で、皆が問題意識を共有すべきだ。だから、浜田総長だけがやっかいな問題を抱え込む、あるいは大変な目に合うことは、私はよしとしない。


 産業界も高等教育におけるグローバル人材育成に期待
 幸いというか、産業界だって、高等教育の低下傾向はとりわけグローバル人材の文脈で理解していて、この東大の試みを歓迎している。6月に発表された経団連の「グローバル人材提言」はその例だ。文科省だって、あるいは政府だって、日本のトップ大学の果敢な挑戦を後押しするべきだし、他大学も積極的に関わって、これからの日本の大学の競争力向上のために、何ができ何をなすべきか、今まで以上に議論し、実際に行動に移してほしい。
 「産官学」に加え、「民」、これはこの場合、社会一般や親御さんを指すが、大学の改革を理解し、困難を認識し、サポートする立場でありたい。


”教育環境の整備”は広くおとなの責任
 浜田学長は、記者からインタビューの最後に、「そこまでして、この問題に取り組もうとしている理由は?」と聞かれ、明確に答えている。「若い世代に対する責任です」―― これからの日本を担う若者の教育環境を整えるのは浜田学長ひとりだけでなく、広く各セクターの成熟したおとな全体の責任に他ならない。
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by krisyoyogi | 2011-09-01 18:30

非正社員が4割で、“中流”もやせ細る。日本型雇用慣行の終焉は近い?~ギャップイヤーで個を確立しよう!   

 

日本の本部機能は、どんどん正社員減の”lean(痩せた)組織”になっている
 厚労省が29日発表した2010年の「就業形態実態調査(約1万事業所、従業員約3万人)」には驚いた、民間企業で働く派遣やパートといった「非正社員」の割合は1987の年調査以来最高の38.7%(3年前調査比+0.9%)という。つまり、非正社員が会社全体組織の4割に達しようとしている。これに、アウトソーシングが加わり、本部機能は、lean(痩せた)そのものだ。

 いつの間にか、すっ飛んだ”中流意識”
 さて、非正社員に現在の就業形態を続けたいか聞いた質問では、嘱託、出向、パートはいずれも「続けたい」が8割前後だったが、派遣や契約社員は半数が「正社員に変わりたい」と答えた。質問の仕方がよくわからないが、半数しかないのは、想像するに、派遣や契約社員の多くは、正社員になるのは予め諦めているから「変わりたい」と答えなかった可能性もある。一方、正社員の待遇悪化も目立ち、賞与を支給した事業所は同13.5ポイント減の65.0%。退職金を出した事業所は同6.1ポイント減の58.4%、昇給・昇格を実施した事業所は同8.1ポイント減の53.3%と軒並み低下した。 これなどデフレも手伝い、多くの正社員も「中流意識」が飛んでいったことが推察される。

 勤続年数は”終身雇用”とは程遠く短期化へ
 30日付の日経朝刊「経済教室」は、すばらしいタイミングで、「揺らぐ日本型雇用慣行 正社員の“入り口”拡大急げ」という見出しで、労働経済の専門家である一橋大川口大司准教授が、論旨を展開している。ポイントは、男性労働者(非正社員含む)に関しては、1944年~49年生まれの世代より若い世代では、一貫して平均勤続年数が短くなっていることだ。1945年生まれと比べると、70年生まれの男性はどの年齢でみても、およそ2割短くなっているという。

4割が非正社員の時代、5割も近い?
 川口氏の寄稿には先述の厚労省調査が間に合わなかったのか、総務省の「労働力調査」が引用されていて、「1984年当時の非正社員は15%だったが、2010年時点で34%にまで増加している」とある。役所の違いはあるが、厚労省の数字のほうが4.7%分、厳しい見方をしている。東日本大震災は、いずれにせよ、これらの調査には反映されていないから、やはり実質4割が非正社員といってよいだろう。

「世代間闘争」の懸念
  非正社員は、これまで日本型雇用慣行の“枠外”に置かれてきた層である。これが、半数に近くになっていく組織体ってなんだろう。サステナブルにコンプライアンスやモラールは維持できるのだろうか。川口氏は「非正社員の増加は、若い世代の男性・女性労働者で、労働市場の新規参入者に集中」と分析している。それは、言い換えれば、高校や大学を卒業した「新卒未就業者」が、正社員の行き場がなく、”非正規”に甘んじているということに他ならない。こんな若者に苛酷な状況では、いよいよ日本にも本格的な「世代間闘争」が芽生えてくるかもしれない。

高度スキル習熟と得がたい経験で、強い個を確立するギャップイヤーを!

  このブログでも紹介したが、8月4日のNHKの報道では、「大学を4年間で卒業できず、1年留年した学生は、4万5千人(2年連続増加)。さらに大学を卒業後、進学も就職もしていない若者は9万人弱(3年連続増加)」とある。
これらが、一つにつながってくるのがおわかりだろう。だから、筆者は、行政に頼らずして個を強くするため、ギャップイヤー(座学を離れ非日常下での3ヶ月以上の社会・就業体、験)の導入を訴えている所以(ゆえん)である。

なぜ、「新卒一括採用」のみ残る? 
 日本の労働慣行を「出口」から観ると、リストラや肩たたきがあり、終身雇用や長期雇用が既に崩れている。退職金だって、今後はあてにできない。年功賃金はおろか賃下げも各世代に広がって、「中流階級」もやせ細っている現状だ。それなのに、どうしてセットであったはずの「入口」のところの「新卒一括採用」だけが几帳面に墨守されているのか、私にはどうしても理解できない。


 小学生の入学式じゃあるまいし、大のおとな(?)ががん首そろえて、社長の薫陶を全国一斉に受けるあの”入社式”の風景も、どうも”20世紀の遺物”のような気がしてならない。
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by krisyoyogi | 2011-08-31 01:35

“留職”は“社会人のギャップイヤー制度”と“プロボノ”のハイブリッド型働き方!   

 留学ではなく、“留職”って言葉の意味をご存じの方は、どのくらいおられるだろうか。


 「現在の組織体(企業・官公庁等)から、海外の縁もゆかりもない別法人に一旦転籍し、海外で1~12カ月間程度の実務をこなすこと」の意味で、ジャンルでは、「グローバル人材育成プログラム」の一種となるかもしれない。

 これを推進する事業型NPO「クロスフィールズ」が今年6月に立ち上がった。私は社会起業支援のETIC.のメンターをしていて、代表理事の小沼大地さんとはNPO組織の”シード期”にお会いしていた。小沼さんのこのビジネスの原点は、実は”ギャップイヤー時代”に相当するJICAの青年海外協力隊参加時にあるという。


 中東シリアのNPOに在籍していた時、非営利の組織体が持つ可能性や先進性には魅了されていたものの、業務の効率化には改善の余地を感じていた。
 そんな折、たまたまドイツの経営コンサルティングの社員数名が出向の形でそのNPOの幹部に就任し、次々と組織の経営課題を解決していき、衝撃を受けたという。この”チーム・ドイツ”の貢献が大きく周りに好影響を与え、ソーシャル・インパクトは飛躍的に増大する。


 「セクターの枠を超えて、社会の課題を解決することの持つ大きな力を感じ始めたのは、この時でした」と、小沼さんは心情を吐露した。


 小沼さんは、営利セクターの持つスキルや知見が非営利セクターに見事に移植するすごい現場に立ち会ってしまって、そのモデルをなんとかこの日本にも持ち込み、定着させたいという想いがさぞかし強いのだろう。


 ギャップイヤーの意味は「正規(本来)の教育・訓練から離れて時間を過ごすこと」であり、この”留職”モデルは概念として近い。いわば、「社会人のギャップイヤー」だ。また、時間で社会貢献する”ボランティア活動”と一線を画して、「知識労働者が自分のスキル・ノウハウを提供し社会貢献を行う」というプロボノの要素も加わり、両者のハイブリッド型の働き方ともいえる。


 今後、いわゆる”留職者”を送り出す日本の組織(企業や官公庁等)が、人材育成・福利厚生・CSRなど、どういう価値を認定し、費用項目の“留職”を捉えていくか、また海外派遣だけでなく限界集落等への“国内版留職”が登場しないか注目している。


 最後になったが、もちろん”成果物”である留職者が現地での滞在を終え、帰国後送り出してくれた所属先の組織に、その学びと活力をどうリターンさせるか、また筋金入りの”社内起業家”として組織に強いインパクトをもたらすか、私の興味と関心は尽きない。

参考サイト:
 NPOクロスフィールズ
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by krisyoyogi | 2011-08-17 00:19

「就職難で留年 4万5000人」のNHK報道をどう観るか~ギャップイヤーの活用をすみやかに   

8月4日夕刻にNHKが伝えるところでは、今春の大卒者はやはり大変なことになっている。

 大学を卒業した学生の就職率は61.6%と、過去最大の下落幅となった前年度と同じ低水準。就職難を背景に留年する学生は4万5千人を超え、2年連続で増加しており、各大学では、就職が決まらない学生達をどう支援していくか、頭を抱えている現状が見えてくる。


 文科省によると、今春大卒者は55万人で、このうち就職したのは34万人、就職率は61.6%だ。これは、3年前のリーマンショック等、世界規模の金融危機の影響で企業が採用を手控えて、過去最大の下落幅となった前年度の就職率と比べても0.8ポイント上回っただけで、依然低水準のままとなっている。


 大学を4年間で卒業できず、1年留年した学生は、4万5千人(2年連続増加)。さらに大学を卒業後、進学も就職もしていない若者は9万人弱(3年連続増加)も存在する。簡単にいえば、ハローワークに足繁く通っているか、アルバイトしているか、なんらか家業を手伝っているか、ニートや引きこもりぎみの若者も多いはずだ。9万人といえば、小ぶりな近郊都市の総人口規模に相当する。


 大学生の就職状況に改善がみられない中、各大学では、卒業後までを見据えた長期の就職指導・支援をどうするかが新たな課題となってきた。大学は入学時だけ甘い話をして、学生の出口は知らないとは言えないので、具体的にどうポジティブな環境づくりをするかが問われる。


 そこで、「就業体験(インターンシップ)・社会体験(ボランティア・国内外の非正規留学)」の統合概念であるギャップイヤーを「大学就学前」だけに押し込めるのではなく、留年生や就業未経験大卒者(目安は卒業3年内)に適用することを提言する。高等教育先進国の英国でも米国でもギャップイヤーの概念は広くなっている。


 例えば、被災地や限界集落に希望する若者達を送る事業として、大学は4ヶ月から1年がんばったこのギャップイヤー経験者(gapper)に単位化や「修了書」を準備する。


 4月に、JGAPのシンクタンク部門であるギャップイヤー総研は、大学・短大1学年70万人のうち、希望者1割の7万人が4ヶ月間ギャップイヤーを経験すると、労働換算で(時給900円で7時間勤務、週2日休み)、400億円の金銭価値が生まれると試算した。仮に9万人がこの事業に手を挙げたら、大変なソーシャル・イノベーションが起こりえる。


 行政は今期の補正で予算化して補助・助成を行い、企業や社会は、その若者達を承認・評価・応援していく。このような”正のスパイラル”は実行できないものだろうか。
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by krisyoyogi | 2011-08-04 22:42

清水康之さん(ライフリンク代表・内閣府参与)が30日の「メメント・モリ」鼎談でギャップイヤー制度を提案   

 「暗闇の中でしか、見つけることのできない光がある」を合言葉に、本日30日に都内で「メメント・モリ」のイベントが開かれた。意味はラテン語で「死を憶(おも)え」、「喪失を忘れるな」。就職に失敗したり、病気になったり、大切な人を亡くしたりと生きていれば誰しもが、なんらかの「喪失感」を体験する。その「喪失体験」や不条理にどう向き合っていけばいいのか、腰を落ち着けて一緒に考えてみようというのが、会の趣旨だった。
 
 プレゼンターは、まず大野更紗(作家、大学院生) さん。1984年福島県生まれで、現在上智大学大学院休学中。学部在学中にビルマ難民に出会い、民主化や難民問題を研究、NGO活動に尽力。大学院に進学した2008年、自己免疫疾患系の難病を発症。2011年6月に刊行した初の著書、『困ってるひと』(ポプラ社)が話題になっている。難病で「医療難民の当事者」となっていながら、「今日も絶賛生存中」と、明るく前向きに、自分の身に起こったできごとを冷静に受け止め、語れる人だった。

 二人目は、星野智幸(小説家)さん。1965年ロサンゼルス生まれで、2歳から東京で暮らす。早稲田大学卒業後、2年半の新聞記者生活を経て、メキシコ留学した。新聞社を辞めたのは、2年半もいれば、会社の文化がわかり、どのように振舞えば、何も考えずに自動的に回るかわかってくる。それが染み付くのが嫌で、飛び出したという。ラテン文化という日本文化とある意味、真反対のカルチャーに接して、楽になったという。帰国し、1997年にデビューして以来、独自の視点と表現で作品を紡ぎ続ける。ツイッターやブログで、政治や震災、自殺等の社会問題についても積極的に発言している。代表作に『ロンリー・ハーツ・キラー(2004年)』、『無間道(2007年)』、『俺俺(2010年)』がある。

 
 おふたりとも、「ギャップイヤー経験者」とも言える。だからかもしれないが、3人の鼎談に移り、清水康之さんが、「日本の若者が、山村留学、福祉の勉強やサッカーでも日本を離れるギャップイヤーを利用できるようにするのはどうだろう。財源とかそういう話になるが、彼らがいいこと学んで帰国したら、活性化するわけだし・・・」と切り出した。日本社会にはびこる”同調圧力”を受けて、息苦しく思っている若者達に、日本を離れることで、自分とじっくり向き合う時間を作れ、しかも専門性や能力を高めることができるからである。


 この日の六本木の会場は、170名の参加で満員で補助椅子が出され、「ニコニコ生動画」には、なんと27,715人が視聴した。規模感でいえば、武道館でのコンサート3回分の人たちと時間を共有したこととなる。


 私が、目頭が熱くなったのは、鼎談の最後に、内閣府「いのち支える(自殺対策)プロジェクト」のキャンペーンソング「あかり」がPV動画とともに流れた時だった。歌っているのは、シンガー&ソングライターの「ワカバ」。聞くところによると、これはタイアップを前提に書かれた曲ではない。「ワカバ」は介護福祉の専門学校の同級生で、共に介護福祉士の資格を持つ亀田大、松井亮太、塚本伸男の3人組で、2000年に結成された。素敵な曲だった。


 彼らは当時小さなライブハウスを中心に活動していて、ある日いつも最前列に陣取って声援を送ってくれていた少女が、いないことに気づいた。それで、他の常連の少女達に聞いてみて、その少女が自殺したことを知った。せめてお線香だけでもと、遺族のご両親に連絡を取り、彼女の部屋を見せてもらうと、自分達のポスターや写真、グッズがたくさんあり、逆にショックを受け、無力感にさいなまれたという。「自分達の歌に力はなかった」と解散を相談したという。3人ともうちひしがれる中、先輩にうながされ、大切な人がこの世から消えないために、自分達に何ができるかじっくり話し合った。そして、亡くなった彼女や生きる力をなくしている人達に向けて、もう一度自分達の言葉で作った曲が、この「あかり」だ。清水さんはこの曲を見つけ、そこから、キャンペーンソングへとつながっていったのだ。


 また、曲に伴って動くイラストレーションというかアニメがあまりにすばらしく、会の終了後に、思わず清水さんに聞いてしまった。
「ある大手広告会社のプロフェッショナルで、プロボノです」
 やはり、心がこもった仕事とは、こういうものを指すんだと唸ってしまう。


 「小さな小さな あかりでも きっと誰かを照らせるんだ」
「ずるしてもいいよ 逃げたっていいよ 負けてもいいよ でも自分を逃げ出さないで」

 最後の歌詞はこう終わる。
「僕の前から消えないで 消えないで 消えないで」


 何らかの縁でこのブログを読む羽目になった皆さん、ここまで来たら、「百聞は一見にしかず」、残り3分間是非観て聞いてほしいPVだ。

 ※ワカバの「あかり」PV=ユーチューブ
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by krisyoyogi | 2011-07-30 21:54

7月27日付朝日朝刊の読者の「声」欄にギャップイヤー待望論登場!   

 読者の「声」欄の「大学生にもっと自由与えては」という見出しに目が留まった。50歳代の非常勤講師の方の提案だ。大学4年生の娘さんが、ご多聞にもれず授業より就活を優先させる日々で、1年経ってしまったという。娘さんの海外の友人は少し事情が違い、米国では大学入学前に関心ある業界で実習や助手をし、それを大学側が入学後単位認定する。高校時代もボランティアや部活で生活は充実している。英国の友人は1年目は大学へ行かず、アルバイトでお金をため、海外旅行する。


 言葉にはないが、お気づきのように、明らかに「ギャップイヤー」のことを指している。そして、こう続く。
 日本では、多額のお金と時間をかけて大学に入り、2年半で今度は就職の危機感あおられ、就活に入る(いつも書いて恐縮だが、マッチポンプの就職産業や、それをあおるだけのマスメディアなら「百害あって一利なし」!)。社会全体が若者に均一の価値観を植え付け、均一コースを歩ませて、それなら日本の競争力低下は続くだけといった内容だ。


 最後に提案はこう結ぶ。「若者が好きな勉強やいろいろなことに挑戦できる社会にならないものでしょうか」


 私は、この投稿者に全く同感なので、コンタクトを取って、JGAPの公式ウェブサイトを観て欲しいと強く感じた。 もう一つは、まだまだ「ギャップイヤー」という言葉は知られていないとも感じ、JGAPとしても一層啓発に努める必要性を感じた。


 一方、毎日小学生新聞の7月4日付で、「ニュースのことば」で、実はギャップイヤーが紹介されている。私立有名中学受験を目指す児童達が知るべき言葉として選ばれたということになる。以下引用だが、ひらがな併記の文字が多いため、さすがにおとなには読みにくいと考え、漢字だけにしている。


 高校卒業後から大学入学までの空いた期間ことです。「隙間」を英語で「ギャップ」ということから、こう呼びます。イギリスでは、高校の卒業から翌年の大学入学までが16か月間あり、海外留学やボランティア活動など、大学だの教育では得えられない社会経験を積つむ期間として定着しています。
 日本では国際教養大学(秋田市)など一部の大学が導入していますが、あまり知しられていません。東大では、学生の質の向上につながると期待しています。


 これを読んだ児童達が大学に入学する頃には、JGAPのビジョンである「大学生の誰もが、希望すればギャップイヤーを利用できる国」になっていれば、男子の本懐である。
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by krisyoyogi | 2011-07-27 23:01

朝日新聞「ニッポン前へ委員会」提言の「若者復興支援隊」と「東北自由大学」はギャップイヤーそのもの   

 本日7月22日付朝日新聞朝刊で、朝日の「ニッポン前へ委員会」の提言が報告されている。この委員会は、東日本大震災からの復興に向けて、若者の参加を促す提言をするために4月に発足していて、職業・構成員を見ると、大学教員(平田オリザ氏他)6名、市長1名、建築家、銀行員1名の9名となっている。


 提言内容をまとめると、①国が給与を払う「若者復興支援隊」と、②復興に携わりながら大学の単位をとれるアドホックな「東北自由大学」になる。


 ①は、卒業後も就職が決まらない人をはじめ、15歳から35歳くらいの男女が対象。国が窓口になって、一定の研修後、被災地の自治体や組織団体に派遣する。1~3年ほど働き、活動を通じて技能を磨き、資格も取れるようにする。その間は月15万円程度の給与を払うというもの(1万人参加で年間予算180億円、第三次補正予算)。終了証も交付し、その後の就職活動に生かしてもらう。給与は被災地で消費されるため、経済効果も期待できる。私には、これはJICAの国内版と映る。もちろん、各地域や農漁村の要望と、派遣する人材のマッチングは重要だ。


 ②は、国内外の学生が被災地に「留学」して単位を得られる仕組み。ボランティア活動や震災の研究活動に取り組めるようにする。卒業証書の発行はなく、既存の大学で行い、希望する一定期間をこの大学で過ごす。教員も各大学からの出向で、自由に授業を設計し、運営するとある。しかし、私はこれは実現は乏しいと考えている。属している残された大学のその教員の授業が成立しなくなるからである。むしろ、ポスドクを有期で雇用し、力をつけてもらい、こちらも「修了書」を出して、次なるキャリアアップを目指してもらうほうが現実的だ。



 この支援隊や自由大学の若者は仮設住宅や空き室などで暮らし、コミュニティと交流し、高齢化する地域を元気付けるというもう一つの狙いもある。


 ここまで考察してきて、お気づきの方もいらっしゃると思うが、この①も②もJGAPがこれまで提唱してきた日本版ギャップイヤー(Jギャップ)そのものの概念だ。


 前回のブログで、国内に4年制大学が800校近くもあるのに、「ボランティア単位認定」を実行している大学が少なすぎると嘆いところだが、気を取り直す。


 「産(採用企業、経済団体)」はこのようなプログラムに参加した若者を人材として評価し、「官(政)」は、第三次補正は10兆円規模であり、予算付けや仕組みを支援する、学は理事会と教授会が反目しないで、高等教育の真の人材育成の立場で送り出し、実行していく。
 そして、「民」は、若者を取り巻く市民や生活者としてこのような若者のチャレンジをサポート応援していく。ギャップイヤー自体は、個人単位なら誰でも勝手にやれる。しかし、希望者の誰もが利用できる公平性が担保できるギャップイヤー制度や文化醸成の実現には、このオールジャパン体制しかないと考えている。

 
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by krisyoyogi | 2011-07-22 10:51

被災地でのボランティアを単位認定する大学は少なすぎるのでは?!   

 7月17日付朝日新聞朝刊では、3面の総合面と33面の首都圏地域面の両方で、被災地復興に取り組む大学が紹介されている。前者では、筑波大が、大震災に関連するボランティアに参加した学生に単位を与える授業を新設したとある。学生は被災地での活動の注意点について事前に説明を受け、原則5日以上(45時間以上)活動に参加すると、1単位が与えられる。


 明治大は、津波震災地や液状化被害が深刻な浦安市での活動とレポート提出等をミックスした授業を始めた。早稲田大では、4月から10回にわたって被災地バスツアーを実施し、延べ600人の学生・教職員を送り込んだという。また、復興に関する学内の中期的・短期的研究に特別助成金を出すことを決定した。


 東洋大学では、教員に対し、地震や放射能等の研究成果を積極的に発信するよう指示、5日間実施したシンポジウムには、1800人が訪れた。


 東北芸術工科大では、学問の特徴を生かし、津波で泥や水につかった書物や彫刻の修復に取り組んでいる。書物だけで宮城・岩手から4千冊が運び出され、これまで900冊余りの処置を終えた。


 後者では、文教大学国際学部が、これまで海外での紛争後の復興支援で学生にボランティア論の単位を認定していたのを、大震災に適用し始めたとある。多くの児童が犠牲になった大川小学校周辺に宿舎を構え、昼は住宅の泥出し、夜は中学生たちの勉強を見る。活動が縁で親達から風呂に招かれ、津波の恐怖や子供を
失った悲しみなどを聞かせてもらった学生もいる。


 それにしても、日本には4年制の大学が800校近くある。「被災地に旅立った学生を管理できない(行ったかどうかもわからない)」「残った学生との比較がフェアにできない」「安全が担保できない」 私が、大学関係者や教員から聞いた「ないない」ずくしのボランティア認定授業が増えない理由だ。授業の公平性や学生の参加の有無など、被災地で活躍するNPOや大学の長に相談し、報告や承認をお願いすれば、簡単に解消できる問題ではないか。


 例えば、NPO法人キッズドアは3泊4日の被災地プログラムを作り、バスをチャーターしている。準備されたメンタルケアセミナーを事前に受け、被災地での接し方を学ぶことも義務付けているので、「出席」確認は難しくないだろう。こんな具合に、今ある難点というのは、大学関係者が本気に解決しようとすれば、それほど困難とも思えない。学内にあるボランティアセンターと単位認定を前提に知恵を出せば、多くは解決するだろう。


 また、大学では、 「いわてGINGA−NETプロジェクト」との連携が考えられる。被災地の支援ニーズと学生のボランティアニーズを効果的に結びつけるようという趣旨で発足した合同プロジェクトだ。
 企画・運営にあたっては、岩手県立大学学生ボランティアセンターが、県内のボランティア活動プログラム開発し、マッチングや宿泊サポートを行っている。ユースビジョン及びさくらネットは、全国の大学ボランティアセンターや学生ボランティア推進団体と連携して、学生ボランティアの募集、送り出しを行っている。

 

 こういう活動や連携が進めば、日本の大学が親元離れたボランティアやインターンをするギャップイヤー制度を構築するための基盤づくりになるので、注視している。


 東日本大震災という大変な事象に見舞われ、日本の従来の仕組みや価値観が根底から崩れる、あるいは構造変化する機に、多くの大学が依然何もなかったように「象牙の塔」に閉じこもり、何もなかったように授業や講座の解釈を変えない、あるいは「現場」に向かって一歩を踏み出さないという現状は、私にはどうしても理解できない。
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by krisyoyogi | 2011-07-19 23:26

ギャッパー出身の学習塾長:(履歴書的には)傷だらけのスター教育軍団に栄光あれ!   

 東京・巣鴨に受験塾「キズキ共育塾」が登場した。


 塾長の安田祐輔さんは、1983年生まれ。ICU在学中に、イスラエル・パレスチナで平和構築NGOを組織した後、大学を休学し、ルーマニアの研究機関でインターンも経験している。そこでは、主に紛争解決に向けたワークショップのコーディネートを担った。また帰国後は、今度は、バングラディシュを行き来し、娼婦街にて、現地の学生、NGOと協力して、映画作りにも関わった。09年に日本に戻り、大手商社に入社したが、昨年6月にこの塾を立ち上げたのだ。


 彼は、まぎれもないギャッパー(ギャップイヤー経験者)だ。ただ、普通のギャッパーと違うのは、「元・不良」ということだろう。高校時代は「不登校、ピアス、茶髪、ちょっと目つきが怖い暴力系」の写真を見せてもらったことがある。今の端正な身のこなしからは想像できないが、家族からは鼻つまみ者だったに違いない。


 そんな彼だから、猛勉強の末、2浪でICUに入学できた。すごい集中力だ。そして、大学合格で自信がつき、前述した”シャバ”に戻れたと言う。彼の問題意識は、かつての自分と同じような環境にいる生徒たちはいっこうに減らず、もがいている。それなら自らの経験を生かして編み出した学習法・指導法で、精神的に傷ついた子供達の成績を上げたくなったと言う。

 私は、たまたま社会起業支援NPOのETIC.で彼のメンターになり、ディスカションしながら、相談に乗っていた。年始に安田さんに提案したのは、同じ境遇にあった履歴書的に”傷だらけ”の教師を集められれば、競争力を持った組織になるということだった。暴力的だった反社会組も、引きこもりだった非社会組の生徒達にも”寄り添う”ことができる強みが確保できる。生徒達は心を開き、先生を兄貴姉貴といった安心のロールモデルになることだろう。


 その提案は実現した。講師は全員、元不登校・高校中退やフリーターなどの経験を持つドロップアウト組の講師(大学生)というユニークな組織体を作り、ニート・不登校・中退経験者の社会復帰のための受験塾となった。


 安田さんのほかには、不登校・うつ病・商業高校を経て22歳で早稲田大学へ進学したという経歴を持つ学生や、高校卒業後派遣労働者となった後にICUへ進学した若者、また不登校・中退を経験した後に早稲田大学へ進学といった”一筋縄ではいかない”様々な社会経験を経た猛者(もさ)たちが講師スタッフとして参加している。

 
 この国では、残念ながら多様性はない。「中学・高校・大学・就職」という既存のストレートなレールから一度でも外れてしまうと、もう一度やり直すことは容易ではない。だから、らち外にいったんドロップアウトしてしまった生徒達に、大学受験をきっかけとして、人生の再チャレンジをしてほしいと安田さんは考えている。


 教育ではなく、”共に育つ”という共育が、メインメッセージだ。傷をかつて持っていた講師陣なら、傷ついた生徒達の傷もきっと癒せるはずだ。

 
 「キズキ共育塾」の未来に栄光あれ!


【情報】キズキ共育塾:東京都豊島区巣鴨4-28-4オーガスト80-301号室・電話090―2629―4955。
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by krisyoyogi | 2011-07-16 01:17