朝日新聞「ニッポン前へ委員会」提言の「若者復興支援隊」と「東北自由大学」はギャップイヤーそのもの   

 本日7月22日付朝日新聞朝刊で、朝日の「ニッポン前へ委員会」の提言が報告されている。この委員会は、東日本大震災からの復興に向けて、若者の参加を促す提言をするために4月に発足していて、職業・構成員を見ると、大学教員(平田オリザ氏他)6名、市長1名、建築家、銀行員1名の9名となっている。


 提言内容をまとめると、①国が給与を払う「若者復興支援隊」と、②復興に携わりながら大学の単位をとれるアドホックな「東北自由大学」になる。


 ①は、卒業後も就職が決まらない人をはじめ、15歳から35歳くらいの男女が対象。国が窓口になって、一定の研修後、被災地の自治体や組織団体に派遣する。1~3年ほど働き、活動を通じて技能を磨き、資格も取れるようにする。その間は月15万円程度の給与を払うというもの(1万人参加で年間予算180億円、第三次補正予算)。終了証も交付し、その後の就職活動に生かしてもらう。給与は被災地で消費されるため、経済効果も期待できる。私には、これはJICAの国内版と映る。もちろん、各地域や農漁村の要望と、派遣する人材のマッチングは重要だ。


 ②は、国内外の学生が被災地に「留学」して単位を得られる仕組み。ボランティア活動や震災の研究活動に取り組めるようにする。卒業証書の発行はなく、既存の大学で行い、希望する一定期間をこの大学で過ごす。教員も各大学からの出向で、自由に授業を設計し、運営するとある。しかし、私はこれは実現は乏しいと考えている。属している残された大学のその教員の授業が成立しなくなるからである。むしろ、ポスドクを有期で雇用し、力をつけてもらい、こちらも「修了書」を出して、次なるキャリアアップを目指してもらうほうが現実的だ。



 この支援隊や自由大学の若者は仮設住宅や空き室などで暮らし、コミュニティと交流し、高齢化する地域を元気付けるというもう一つの狙いもある。


 ここまで考察してきて、お気づきの方もいらっしゃると思うが、この①も②もJGAPがこれまで提唱してきた日本版ギャップイヤー(Jギャップ)そのものの概念だ。


 前回のブログで、国内に4年制大学が800校近くもあるのに、「ボランティア単位認定」を実行している大学が少なすぎると嘆いところだが、気を取り直す。


 「産(採用企業、経済団体)」はこのようなプログラムに参加した若者を人材として評価し、「官(政)」は、第三次補正は10兆円規模であり、予算付けや仕組みを支援する、学は理事会と教授会が反目しないで、高等教育の真の人材育成の立場で送り出し、実行していく。
 そして、「民」は、若者を取り巻く市民や生活者としてこのような若者のチャレンジをサポート応援していく。ギャップイヤー自体は、個人単位なら誰でも勝手にやれる。しかし、希望者の誰もが利用できる公平性が担保できるギャップイヤー制度や文化醸成の実現には、このオールジャパン体制しかないと考えている。

 
[PR]

by krisyoyogi | 2011-07-22 10:51

<< 7月27日付朝日朝刊の読者の「... 被災地でのボランティアを単位認... >>