謹告:勝手ながら、コンテンツの収束のため、ブログを引越しいたしました!砂田 薫   



 引越し先は、一般社団法人  日本ギャップイヤー推進機構協会(JGAP)の公式ウェブ内トップ面の右ナビです。今後も、どうかよろしくお願い申し上げます。  砂田 薫     ※移転先のリンクJGAP
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# by krisyoyogi | 2011-10-08 00:49

東大・浜田純一総長への「東大秋入学+ギャップイヤー」インタビュー記事から想うこと(1日付朝日朝刊)   

 7月1日に全国紙が一斉に報じた、入試日程を変えないで行なう東大の「全学秋入試+ギャップイヤー(4月~9月)」であるが、その提案者である浜田純一総長へのインタビュー記事が、9月1日付朝日朝刊「オピニオン欄」の1面に掲載された。見出しは「国際化待ったなし、脱ガラパコスへ。知識より弾力性」だった。


 同質集団には、非日常性や異質なものが必要
 要旨はこうだ。国内市場が縮小傾向にある中、大学は国内だけを射程に置いた教育だけでは、「ガラパコス」的な存在になる。グローバル人材を育てるために、大学教育の国際化は避けて通れない。
  “タフな東大生創り” を掲げている浜田総長は、「東大生は知識量ではタフだが、これからはレジリエンス(弾力性)、すなわちしなやかさも必要」と言う。この力は同質集団の中では育ちにくく、海外や異文化に触れ合う中で、“あっ”と驚く経験が必要で、それがギャップイヤー導入への想いにつながっているという。企業にも組織にも絶対がない時代。「個人の力がモノを言う社会になり、そこではギャップイヤーを利用して、自らの力を鍛えて次の仕事を探すという感覚が必要だ」と説く。


”秋入学+ギャップイヤーの有用性”を訴える総長
 「あえて入試と入学の間にギャップを作ることで、人生の中でのギャップの意義を認めるように日本社会に対して意識改革を求めていく。秋入学とギャップイヤーの有用性を訴えて、資格試験の時期や制度について、改正や柔軟な運用も求めたい」と力説し、明快な意思と覚悟を感じる。
 また、ギャップイヤーの過ごし方も、「バックパッカーによる海外放浪、ボランティア、企業への(長期)インターン、それから(大学側から)メニューも提示する」となかなかワクワクする寛容さと自由さが覗く。これなら、現在都会の中高一貫校出身者が半数を超えるといわれる多様性とは対極にある現状で、1学年3000人もたくましく就学前に「空白期(GAP)」を糧に大きく成長するのではと期待を抱かせる。スケジュールとしては、「年内に学内組織の『入試時期の在り方懇談会』の報告書が出たら、企業や社会に向けて問題提起をする」と言う。ここまでは、総長の本気度を示す素晴らしいビジョンがある。自ら果敢に困難にチャレンジしようとする姿勢と勇気も賞賛したい。


在任中の4年で実現へのロードマップを確定すべき
 ところが、実現へのロードマップのところに来ると、ちょっと急ブレーキがかかるような気がする。
 「活動を1~2年続ける中で、着地点が見えてくる。任期中には難しいかもしれないが、5年をメドに緊張感を持って検討すべき」。東大の総長の任期は4年で、浜田総長は4月に着任したばかりだ。これは、問題提起を社会に行い、推進している浜田総長が、実行までの道筋を立てないで、誰が後をやり、引き継ぐというのだろう。だから、任期の4年で決着させてほしい。


5年のロードマップでは“Not invented here” の懸念
 英語に、“Not invented here”症候群という言葉がある。「いいんだけど、俺が考えたわけでないから、責任は持てないし、知らない」という心をヒダを表す言葉だ。東大が「教育は国家百年の計」のテーマにチャレンジするこの大変革が成功したら、推進してきた前任者、失敗でもしたら後継者という評価になるなら、誰が積極的に関わるだろう。また、そんな「手柄」みたいな次元でなく、日本の高等教育の国際競争力の低下や弱体化は、浜田総長自身も痛感しているから、ここまで進展を遂げてきたのではないだろうか。検討終了が5年先なら、実現はまたその先であり、はたしてそこまで待てる悠長な話なのだろうか。


大学の国際競争力の低下は、大学だけの問題ではなく、「社会問題」と捉えるべき
 よく引用されることの多い「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」の最新2010-11年版の「世界大学ランキング」では、アジアのトップは香港大学にさらわれ、3年前はベスト100にかろうじて4大学が入っていたのに、今回は東大と京大の2大学のみ。それが日本の高等教育のポジションなのだ。ここまで落ちると、各大学の問題というより、立派な国力低下の社会問題で、皆が問題意識を共有すべきだ。だから、浜田総長だけがやっかいな問題を抱え込む、あるいは大変な目に合うことは、私はよしとしない。


 産業界も高等教育におけるグローバル人材育成に期待
 幸いというか、産業界だって、高等教育の低下傾向はとりわけグローバル人材の文脈で理解していて、この東大の試みを歓迎している。6月に発表された経団連の「グローバル人材提言」はその例だ。文科省だって、あるいは政府だって、日本のトップ大学の果敢な挑戦を後押しするべきだし、他大学も積極的に関わって、これからの日本の大学の競争力向上のために、何ができ何をなすべきか、今まで以上に議論し、実際に行動に移してほしい。
 「産官学」に加え、「民」、これはこの場合、社会一般や親御さんを指すが、大学の改革を理解し、困難を認識し、サポートする立場でありたい。


”教育環境の整備”は広くおとなの責任
 浜田学長は、記者からインタビューの最後に、「そこまでして、この問題に取り組もうとしている理由は?」と聞かれ、明確に答えている。「若い世代に対する責任です」―― これからの日本を担う若者の教育環境を整えるのは浜田学長ひとりだけでなく、広く各セクターの成熟したおとな全体の責任に他ならない。
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# by krisyoyogi | 2011-09-01 18:30

非正社員が4割で、“中流”もやせ細る。日本型雇用慣行の終焉は近い?~ギャップイヤーで個を確立しよう!   

 

日本の本部機能は、どんどん正社員減の”lean(痩せた)組織”になっている
 厚労省が29日発表した2010年の「就業形態実態調査(約1万事業所、従業員約3万人)」には驚いた、民間企業で働く派遣やパートといった「非正社員」の割合は1987の年調査以来最高の38.7%(3年前調査比+0.9%)という。つまり、非正社員が会社全体組織の4割に達しようとしている。これに、アウトソーシングが加わり、本部機能は、lean(痩せた)そのものだ。

 いつの間にか、すっ飛んだ”中流意識”
 さて、非正社員に現在の就業形態を続けたいか聞いた質問では、嘱託、出向、パートはいずれも「続けたい」が8割前後だったが、派遣や契約社員は半数が「正社員に変わりたい」と答えた。質問の仕方がよくわからないが、半数しかないのは、想像するに、派遣や契約社員の多くは、正社員になるのは予め諦めているから「変わりたい」と答えなかった可能性もある。一方、正社員の待遇悪化も目立ち、賞与を支給した事業所は同13.5ポイント減の65.0%。退職金を出した事業所は同6.1ポイント減の58.4%、昇給・昇格を実施した事業所は同8.1ポイント減の53.3%と軒並み低下した。 これなどデフレも手伝い、多くの正社員も「中流意識」が飛んでいったことが推察される。

 勤続年数は”終身雇用”とは程遠く短期化へ
 30日付の日経朝刊「経済教室」は、すばらしいタイミングで、「揺らぐ日本型雇用慣行 正社員の“入り口”拡大急げ」という見出しで、労働経済の専門家である一橋大川口大司准教授が、論旨を展開している。ポイントは、男性労働者(非正社員含む)に関しては、1944年~49年生まれの世代より若い世代では、一貫して平均勤続年数が短くなっていることだ。1945年生まれと比べると、70年生まれの男性はどの年齢でみても、およそ2割短くなっているという。

4割が非正社員の時代、5割も近い?
 川口氏の寄稿には先述の厚労省調査が間に合わなかったのか、総務省の「労働力調査」が引用されていて、「1984年当時の非正社員は15%だったが、2010年時点で34%にまで増加している」とある。役所の違いはあるが、厚労省の数字のほうが4.7%分、厳しい見方をしている。東日本大震災は、いずれにせよ、これらの調査には反映されていないから、やはり実質4割が非正社員といってよいだろう。

「世代間闘争」の懸念
  非正社員は、これまで日本型雇用慣行の“枠外”に置かれてきた層である。これが、半数に近くになっていく組織体ってなんだろう。サステナブルにコンプライアンスやモラールは維持できるのだろうか。川口氏は「非正社員の増加は、若い世代の男性・女性労働者で、労働市場の新規参入者に集中」と分析している。それは、言い換えれば、高校や大学を卒業した「新卒未就業者」が、正社員の行き場がなく、”非正規”に甘んじているということに他ならない。こんな若者に苛酷な状況では、いよいよ日本にも本格的な「世代間闘争」が芽生えてくるかもしれない。

高度スキル習熟と得がたい経験で、強い個を確立するギャップイヤーを!

  このブログでも紹介したが、8月4日のNHKの報道では、「大学を4年間で卒業できず、1年留年した学生は、4万5千人(2年連続増加)。さらに大学を卒業後、進学も就職もしていない若者は9万人弱(3年連続増加)」とある。
これらが、一つにつながってくるのがおわかりだろう。だから、筆者は、行政に頼らずして個を強くするため、ギャップイヤー(座学を離れ非日常下での3ヶ月以上の社会・就業体、験)の導入を訴えている所以(ゆえん)である。

なぜ、「新卒一括採用」のみ残る? 
 日本の労働慣行を「出口」から観ると、リストラや肩たたきがあり、終身雇用や長期雇用が既に崩れている。退職金だって、今後はあてにできない。年功賃金はおろか賃下げも各世代に広がって、「中流階級」もやせ細っている現状だ。それなのに、どうしてセットであったはずの「入口」のところの「新卒一括採用」だけが几帳面に墨守されているのか、私にはどうしても理解できない。


 小学生の入学式じゃあるまいし、大のおとな(?)ががん首そろえて、社長の薫陶を全国一斉に受けるあの”入社式”の風景も、どうも”20世紀の遺物”のような気がしてならない。
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# by krisyoyogi | 2011-08-31 01:35

“留職”は“社会人のギャップイヤー制度”と“プロボノ”のハイブリッド型働き方!   

 留学ではなく、“留職”って言葉の意味をご存じの方は、どのくらいおられるだろうか。


 「現在の組織体(企業・官公庁等)から、海外の縁もゆかりもない別法人に一旦転籍し、海外で1~12カ月間程度の実務をこなすこと」の意味で、ジャンルでは、「グローバル人材育成プログラム」の一種となるかもしれない。

 これを推進する事業型NPO「クロスフィールズ」が今年6月に立ち上がった。私は社会起業支援のETIC.のメンターをしていて、代表理事の小沼大地さんとはNPO組織の”シード期”にお会いしていた。小沼さんのこのビジネスの原点は、実は”ギャップイヤー時代”に相当するJICAの青年海外協力隊参加時にあるという。


 中東シリアのNPOに在籍していた時、非営利の組織体が持つ可能性や先進性には魅了されていたものの、業務の効率化には改善の余地を感じていた。
 そんな折、たまたまドイツの経営コンサルティングの社員数名が出向の形でそのNPOの幹部に就任し、次々と組織の経営課題を解決していき、衝撃を受けたという。この”チーム・ドイツ”の貢献が大きく周りに好影響を与え、ソーシャル・インパクトは飛躍的に増大する。


 「セクターの枠を超えて、社会の課題を解決することの持つ大きな力を感じ始めたのは、この時でした」と、小沼さんは心情を吐露した。


 小沼さんは、営利セクターの持つスキルや知見が非営利セクターに見事に移植するすごい現場に立ち会ってしまって、そのモデルをなんとかこの日本にも持ち込み、定着させたいという想いがさぞかし強いのだろう。


 ギャップイヤーの意味は「正規(本来)の教育・訓練から離れて時間を過ごすこと」であり、この”留職”モデルは概念として近い。いわば、「社会人のギャップイヤー」だ。また、時間で社会貢献する”ボランティア活動”と一線を画して、「知識労働者が自分のスキル・ノウハウを提供し社会貢献を行う」というプロボノの要素も加わり、両者のハイブリッド型の働き方ともいえる。


 今後、いわゆる”留職者”を送り出す日本の組織(企業や官公庁等)が、人材育成・福利厚生・CSRなど、どういう価値を認定し、費用項目の“留職”を捉えていくか、また海外派遣だけでなく限界集落等への“国内版留職”が登場しないか注目している。


 最後になったが、もちろん”成果物”である留職者が現地での滞在を終え、帰国後送り出してくれた所属先の組織に、その学びと活力をどうリターンさせるか、また筋金入りの”社内起業家”として組織に強いインパクトをもたらすか、私の興味と関心は尽きない。

参考サイト:
 NPOクロスフィールズ
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# by krisyoyogi | 2011-08-17 00:19

「就職難で留年 4万5000人」のNHK報道をどう観るか~ギャップイヤーの活用をすみやかに   

8月4日夕刻にNHKが伝えるところでは、今春の大卒者はやはり大変なことになっている。

 大学を卒業した学生の就職率は61.6%と、過去最大の下落幅となった前年度と同じ低水準。就職難を背景に留年する学生は4万5千人を超え、2年連続で増加しており、各大学では、就職が決まらない学生達をどう支援していくか、頭を抱えている現状が見えてくる。


 文科省によると、今春大卒者は55万人で、このうち就職したのは34万人、就職率は61.6%だ。これは、3年前のリーマンショック等、世界規模の金融危機の影響で企業が採用を手控えて、過去最大の下落幅となった前年度の就職率と比べても0.8ポイント上回っただけで、依然低水準のままとなっている。


 大学を4年間で卒業できず、1年留年した学生は、4万5千人(2年連続増加)。さらに大学を卒業後、進学も就職もしていない若者は9万人弱(3年連続増加)も存在する。簡単にいえば、ハローワークに足繁く通っているか、アルバイトしているか、なんらか家業を手伝っているか、ニートや引きこもりぎみの若者も多いはずだ。9万人といえば、小ぶりな近郊都市の総人口規模に相当する。


 大学生の就職状況に改善がみられない中、各大学では、卒業後までを見据えた長期の就職指導・支援をどうするかが新たな課題となってきた。大学は入学時だけ甘い話をして、学生の出口は知らないとは言えないので、具体的にどうポジティブな環境づくりをするかが問われる。


 そこで、「就業体験(インターンシップ)・社会体験(ボランティア・国内外の非正規留学)」の統合概念であるギャップイヤーを「大学就学前」だけに押し込めるのではなく、留年生や就業未経験大卒者(目安は卒業3年内)に適用することを提言する。高等教育先進国の英国でも米国でもギャップイヤーの概念は広くなっている。


 例えば、被災地や限界集落に希望する若者達を送る事業として、大学は4ヶ月から1年がんばったこのギャップイヤー経験者(gapper)に単位化や「修了書」を準備する。


 4月に、JGAPのシンクタンク部門であるギャップイヤー総研は、大学・短大1学年70万人のうち、希望者1割の7万人が4ヶ月間ギャップイヤーを経験すると、労働換算で(時給900円で7時間勤務、週2日休み)、400億円の金銭価値が生まれると試算した。仮に9万人がこの事業に手を挙げたら、大変なソーシャル・イノベーションが起こりえる。


 行政は今期の補正で予算化して補助・助成を行い、企業や社会は、その若者達を承認・評価・応援していく。このような”正のスパイラル”は実行できないものだろうか。
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# by krisyoyogi | 2011-08-04 22:42